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マンション税はもう他人事ではないけれど、2026年はどうなる?

ウエストチェスターの今

 

 

マンション税という言葉(税金)をお聞きになったことはありますか?

 

ここで言う「マンション」とは、日本でいうタワーマンションなど各種集合住宅のことではなく、あくまで「豪邸」を意味します。

 

 

下の写真は現在ウエストチェスター内のActive Listingの一つです。いわゆる大豪邸ですね。

 

Courtesy of Julia B Fee Sotherby's International Realty

 

*これから先は税制が異なるので、ニューヨーク市については触れません。荘園不動産の主な業務範囲であるニューヨーク州・ウエストチェスター郡についてのお話になります。

 

 

ニューヨーク州が1989年にマンション税を導入した際、豪邸は価格が100万ドル以上という基準で定義されました。当時、全米で最も住宅価格が高かった北東部でも、住宅価格の中央値は約16万ドル。100万ドルという金額は、まさに「特別な家」を意味していました。

 

 

ところが現在は、住宅価格の上昇とインフレの影響で、100万ドルの住宅は決して珍しくありません。ウエストチェスター郡でも、ごく一般的な一戸建てがこの価格帯に入るケースは多く見られます。

 

 

それにもかかわらず、このマンション税の仕組みは36年間ほとんど見直されておらず、今も100万ドル以上の住宅を購入すると、購入時に1%のマンション税(一度だけ)支払う必要があります。

 

 

こうした現状を踏まえ、ニューヨーク州議会では、マンション税の対象となる価格基準を200万ドルに引き上げる法案が検討されています。

 

 

是非早々に引き上げてほしいものですね。

 

 

さらに、今後は消費者物価指数に合わせて毎年基準額を調整する仕組みも盛り込まれる予定です。今年は法案成立に至りませんでしたが、2026年に再び審議される見込みです。←お願いします!

 

 

マンション税は、今や「豪邸税」というよりも、中価格帯以上の住宅購入者に広く影響する税金になっています。今後の法改正の動きは、ウエストチェスター郡やニューヨーク州で住宅購入を検討している方にとって、注目すべきポイントと言えるでしょう。

 

 

現行のマンション税では、購入価格が100万ドルを1ドルでも超えると購入時に一律1%の税金が課されます。たとえば120万ドルの住宅であれば、1万2,000ドルをクロージング時に追加で支払うことになります。
この金額は、頭金や諸費用に加わるため、買主にとっては意外と大きな負担です。

 

 

特にウエストチェスター郡では、学区や立地の良い一戸建てが自然と100万ドルを超えるケースが多く、「豪邸を買っている意識はないのに、マンション税がかかる」という声をよく耳にします。

 

 

ちなみに、2025年10月時点で、ウエストチェスター郡で売買された一戸建て住宅3,964件のうち、およそ半数が100万ドルを超えていました
その結果、これらの取引から発生したマンション税の税収は、約1,935万ドルに上っています。

 

 

マンション税は、1989年の財政難の時期に導入されました。その後、制度を見直そうとする動きは2018年ごろから始まり、現在検討されている案は2021年に初めて提出されたものです。

 

 

現在の市場は在庫不足と入札競争が続いており、
「マンション税がかかるから価格を下げてほしい」という交渉は、現実的には通りにくい状況です。

多くの買主は

  • 税金よりも「家を確保できるか」

  • 立地・学区・間取り

を優先して判断しています。

現状 マンション税は「交渉材料」ではなく、前提コストとして考える必要があります。

 

 

要するに基準額を200万ドルに引き上げる法案はありますが、まだ成立していません


また、成立したとしても

  • いつから適用されるのか

  • すでに契約・購入済みの物件に遡及されるのか

は不透明です。

 

 

重複しますが、ニューヨーク州のマンション税は、もはや「豪邸購入者だけの税金」ではありません。
ウエストチェスター郡では、ごく一般的な住宅購入者やファミリー層にも影響する制度になっています。

買主にとっては、

  • 購入価格だけでなく

  • クロージング時の総コスト

  • 税制・為替・資金移動

まで含めた総合的な判断がこれまで以上に重要です。

一方、売主にとっては、

  • マンション税を過度に恐れず

  • 現在の需給バランスを正しく理解した価格戦略

が成功のカギとなります。

今後の法改正の行方にも注目しつつ、「今の市場」を正しく理解したうえでの判断が、後悔のない売買につながるでしょう。

 

 

補足:

1. ニューヨーク州のマンション税は、居住用住宅だけでなく、オフィスや店舗、アパートなどの商業用不動産にも原則として適用されます。「マンション」という名称から住宅専用と思われがちですが、実際には取引価格が100万ドルを超える不動産全般が対象となる点には注意が必要です。

2. コネチカット州にはマンション税なるものはありません。州境のライNYとグリニッチCTでは、購入時に随分差が出ることになりますね。

 

 

 

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