お金のありかは?どこ?
さて、売買契約を済ませた家尾買造さん。荘子さんからモーゲージのプリアプルーバルレターや*POF(proof of funds)について説明を聞いていましたが、実際に払った金額は今のところ購入価格の10%のみ。これを売買契約書のサイン時に売主弁護士のエスクローに入れただけです。
でもお金も払っちゃったし
何となく安心。
(ニューヨーク州・コネチカット州のお話です)
家尾さんは頭金は20%で買う約束ですから、後残りの10%の現金と**クロージングコストの準備が必要です。
家尾さん: 「もちろん、お金はばっちり用意してあります。」
「残りの10%と**クロージングコストの5%~6%ですよね。大丈夫です!」
「何しろアメリカで不動産を買うときは不動産手数料って要らないんですよねっ!インターネットで見てるとそう書いてありましたよ。」
荘子: 「ちょっと待ってください!それは本当は違いますよ。」
「確かに、買主様が〇%の仲介手数料を直接不動産会社に支払うということはありませんが、実際は購入価格に含まれているので、厳密には手数料なしで買えると言うことではありませんよね。」
「手数料無料をうたっている賃貸アパートと同じ仕組みです。」
家尾さん: 「なるほど。荘子さんにこんなに長い間仕事をしてもらって、労賃を払わないっておかしいですよね。」
「荘子さんもどこからか報酬をもらうわけですよね。納得ですっ!」
荘子: 「ところで家尾さん、残りのクロージングに必要なお金はどこにありますか?」
家尾さん:「どこって?銀行です。」
荘子: 「ニューヨークの銀行ですか?」
家尾さん 「はい。」
荘子: 「よかったです。」
荘子: 「お金はあります。不動産購入を考えています!」というお客様がよくいらっしゃいますが、そのお金の「ありか」が問題になることがあるんです。
「お金はある!」というお話で、スタートしても途中でそれが、相続のお金で「もうすぐ手に入る予定のお金」だった。という実話がありました。
つまりまだ「お手元にはない」わけです。
お客様は「絶対もらえるから大丈夫」「もうすぐ入る」というお話でしたが、そのお金が既にお手元に届いていなければ、例えば日本にあってもクロージングまでに購入者のアメリカの口座に送金されないと「お金がある」と言うことにはなりません。
日本のご自身の銀行口座に十分な資金が入っていても、お金のある場所が米国外の場合は、ご自身名義の口座で、それが米国内のご自身名義の口座と予め紐づけされていて、オンラインで送金できる体制になっているか、または電話で送金できる体制に整っていないと、クロージングの際手元にお金が届いていない。と言うことになる場合があります。
では、ご親族にご自分の日本の銀行に行ってもらって送ってもらう。ということは送金者がご本人ではないので、ややこしいことになります。
(話が全くそれますが、介護費用が必要な親のために、銀行に来れない親に代わって親の口座のお金を施設に送ることがほぼ無理に近い。または尋常ではなく難儀なことと同じです。任意後見契約があっても中々簡単ではありません。)
コロナの水際対策が簡易になった現在は、ご本人が日本に帰国してご自身で送金手続きをするのが一番早い。と言うことになりますし、実際送金のため一泊でご帰国された方もいらっしゃいました。
購入資金のご準備は、予め万全にお願いします。
*Proof of funds
現金購入の場合はオファーの際、購入資金となる流動資産が$〇,〇〇〇,〇〇〇あるという残高証明等を売主側に提示する必要がある。
また、モーゲージを取る場合も頭金とクロージングコストの(購入金額の)5~6%の現金が必要になるので、その分も持っているか?確認される。固定資産税の調整時期などの関係で、クロージングコストが大きくなる場合もある。
**クロージングコスト (コンドミニアムではなく一軒家の話)
・弁護士費用 ($1,500 - $2,500)
・タイトルサーチ費用 (所有権・抵当権・未払いの税金の有無などのサーチ)
・タイトル保険代 ($3,500 - $5,000)
・測量代 ($1,500 - $2,500)
・登記関係 (数百ドル)
・モーゲージ関係費用 (固定資産税調整分も含む)